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憲法24条から考えるジェンダーロール

    第十四回

    2025年9月21日(日)

    参加者:3名

    ジェンダーロールを乗り越えようの会

    「憲法24条から考えるジェンダーロール」

    第十四回となる今回は、「憲法24条から考えるジェンダーロール」をテーマに話し合いました。

    今回扱った参考書は初版が20年前ということもあり、言葉遣いや表現から、その時代を生きた女性たちの強い憤りが感じられました。

    現代では多様性という言葉を通してジェンダーが語られることが多くなっています。そのため、今回のテキストの女性 vs 男性という構図には違和感を覚える部分もありましたが、一方で、当時の社会に根深くあった男女不平等の中で変革を起こそうという強い意志が感じられました。過去の運動の熱量を振り返りながら、いま私たちがどんな言葉でジェンダーを語るのか、その温度やスピーチについて考える時間になりました。


    憲法24条をめぐって

    読書会の冒頭では、参考書で訴えられていた憲法24条改憲案への危機感について理解を深めるため、まず現行憲法24条の内容とその成り立ちを改めて確認しました。

    憲法24条は、家族や結婚のあり方に言及し、個人の尊厳と両性の本質的平等を定めていますが、自民党の改憲案では以下のような追記が提案されています。

    「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない。」

    この家族という単位が明文化されることにより、かつての家制度のように、個人よりも家の都合が優先される社会に逆戻りしてしまうのではないかという危機感が、著者の筆を動かしていたのだと思われます。

    家制度のもとでは、男女の主従関係が制度的に規定され、親が決めた結婚相手以外との恋愛は反対されることも多く、時には心中に至る悲しい例もありました。

    そのような歴史を踏まえ、参加者の一人からは「今の時代にはさまざまな家族の形がある。国家が自然な家族の単位を決めること自体がおかしいのではないか」という意見も上がりました。


    儒教と家制度の関係

    議論の中では、なぜ男性優位の社会が日本やヨーロッパで自然に生まれたのか?という問いも共有されました。

    体格差などの生物学的な要因があるのではという意見も出ましたが、実際には日本にも男女で国を統治していた時代があったことを学びました。

    女性の従属的な立場という考え方は、中国から伝わった儒教の思想に影響を受けています。ある参加者は、時代劇ドラマの中で「女は企業や商売をするものではない」といった価値観が肯定的に描かれていたことにショックを受けたと話しました。女性が何かに挑戦しようとすると女の浅知恵と揶揄されるような描写が当時はよくあったという意見もありました。

    漢字の中の女偏などにも、中国の女性観やジェンダー観が表れており、それが日本のジェンダーにも影響を与えたとも考えられます。しかし、同じ家庭で育っても、夫婦間のジェンダーロールの認識は異なるという指摘もありました。親世代の価値観がそのまま継承されるとは限らず、兄弟姉妹の間でもジェンダー感覚がそれぞれに形成されるという話も出ました。


     スローガンと感情のあり方

    今回のテキストは全体的に、著者の苛立ちや怒りの感情が強く表れているという印象を持った参加者もいました。文体から声のボリュームが大きいと感じられたのは、当時、女性解放の主張を強く訴えないと聞いてもらえなかった時代背景があったからではないかという意見もありました。

    今の時代はSNSなどを通じて、たとえ小さなつぶやきでも発信できるようになりましたが、当時はパネルやスローガンを掲げて直接訴えるスタイルが主流でした。そうした運動の形式が、感情の強い表現につながったのではないか、という意見も共有されました。

    参加者の一人は、父親が倒れたときに医師から奥さんも来てくださいと言われ、母親がなぜ妻だけが呼ばれるのかと怒っていたことを思い出したそうです。

    そこには、夫の健康は妻の手にかかっているという構造的な思い込みがあり、家事労働やケアの責任が女性に押し付けられてきた時代の名残を感じます。

    また、男性の中にも、自らの健康管理について、妻の食事管理が褒められる構造に対して違和感を覚える人もいました。

    一方で、現代では情報伝達のスピードは格段に上がったものの、発信に対して得られる共感の量自体はあまり変わらないのではないかという指摘もありました。時代が変わっても、伝えること・受け取ることの難しさ残っているようです。

    記録:ダンシロウ


    参考文献:

    「写真とイラストで学ぶジェンダーからみた日本女性の歴史」
    ねりま24条の会 著


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