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日本の社会構造とジェンダー

    2026年6月21日(日)

    Participants: 2

    ジェンダーロールの会 第二十三回

    「日本の社会構造とジェンダー」

    前回も参加者が少なく開催を見送っていたため、今回も2人での実施となりましたが、『フランスに学ぶジェンダー平等の推進と日本のこれから パリテ法制定20周年をこえて』(冨士谷あつ子・新川達郎 編著)を読み進めることにしました。

    1.日本の状況 2.フランスの状況 3.その他の国々の状況を、今後3回に分けて読み進めていきます。今回はその第1ステップとして、日本の状況に焦点を当てて対話を深めました。


    コロナ禍の男女の孤立と自殺者数

    今回の範囲で特に参加者の関心が集まったのは、「コロナ禍において女性の自殺者数が急増し、男性を上回った」という記述でした。賃金の問題と自殺を直接結びつけることへの疑問を起点に、その背景にある社会構造について議論が深まりました。

    コロナ禍において真っ先に解雇や雇い止めの対象となったのは、非正規労働の比率が高い女性たちでした。さらに外出自粛によって在宅時間が長くなった結果、家庭内暴力(DV)が増加し、女性側がストレスや危険を一方的に抱え込む構図が生まれていたことも指摘されました。また、日常の「たわいもないおしゃべり」や交流の機会が失われたことで孤立が深まり、精神的に追い詰められた女性が多かったのではないかという意見が出ました。

    同時に、誰かと会って話す機会が大切なのは男性も同様であるという認識も共有されました。しかしその一方で、高齢期になってデイケアに行きたがらないなど、男性コミュニティ特有の孤立の多さについても議論が及び、男女それぞれが抱える孤立のあり方について考えさせられる時間となりました。


    社会の仕組みと結婚の不利益と利益

    続いて、日本の社会保障や結婚制度がはらむ「女性に不利な構造」が議論になりました。

    テキストで言及されたかつての「厚生年金の脱退一時金(脱退手当金)」は、目先のお祝い金と引き換えに過去の加入期間をリセットし、将来の年金受給額を大きく損なわせる仕組みでした。当時は多くの女性がその不利益に気づかずに受け入れていたという、歴史の怖さが語られました。

    現代は共働きが主流になり、この一時金の仕組みも廃止され、「寿退社」は死語になりつつあります。結婚して夫の扶養に入れば目先は安定して見えますが、離婚時や老後を迎えた際には、個人の年金額が大幅に少なくなってしまうリスクがあります。

    こうした結婚による経済的メリットの不透明さや、改姓して相手の配下に入るような抵抗感から、あえて籍を入れない「選択的単身者」や、結婚に利点を感じない女性が周囲に増えている現状に対し、参加者からは納得感が示されました。


    ジェンダーフリー用語不使用通達の理由

    また、2006年に国から地方公共団体へ出された「ジェンダーフリー用語の不使用通達」の歴史について驚きをもって振り返ることとなりました。

    「なぜ男女共同参画を進める側が、ジェンダーフリーという言葉を使えないように命令するのか」という疑問に対し、当時はフリーセックスと誤解されるのを懸念したのではないかといった予測も語られましたが、その真相は、男らしさや女らしさを全否定して中性化しようとしている、あるいは伝統的な家族の絆を破壊する、といった激しいバッシング(ジェンダー・バックラッシュ)が起きたことにありました。

    この政治的な決着として行政文書からジェンダーフリーという言葉が一斉に削られることになり、結果として現在は、国際標準であるジェンダー平等やジェンダーレスという言葉に置き換わっている経緯が共有されました。


    ポジティブアクションの逆風

    最後に、政治や雇用の場で格差を是正するために優遇措置をとる「ポジティブアクション(積極的格差是正措置)」についても対話が行われました。この制度は現状の格差を埋める強力な力になる一方で、一筋縄ではいかない難しさも抱えています。

    アメリカのトランプ現象に代表されるように、マジョリティ側であるストレート男性などが「逆に自分たちの仕事を奪われている」と感じる、逆差別への怒りを引き起こす側面があります。さらに、当事者である女性側も「実力ではなく女性枠だから選ばれた」と周囲から色眼鏡で見られてしまうなど、心理的な負担を抱えやすい実態についても議論を深めました。

    次回は、日本が見習おうとしている「パリテ法(男女均等法)」について読み進めていきます。この全3回を通して、これからの制度や社会のあり方を考えていければと思います。

    Notes: Danshiro


    References:

    「フランスに学ぶジェンダー平等の推進と日本のこれから パリテ法制定20周年をこえて」

    冨士谷あつ子/新川達郎 編著

    <第1部:日本におけるジェンダー不平等の克服へ>

    1章 少子高齢社会におけるジェンダー格差克服をめざして

    2章 政治分野における女性参画の推進

    コラム 東京五輪・パラリンピック開催をめぐるジェンダー問題

    <第2部:フランスにおけるパリテ法の成果と課題>

    1章 フランスのフェミニズムの流れ ーパリテ法と関連においてー


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